溺愛は蜜夜に始まる~御曹司と仮初め情欲婚~

耳をくすぐる侑斗の吐息が一段と熱くなり、梨乃は全身から力が抜けていくのを感じた。
その隙を狙ったように、再び侑斗が梨乃を抱きしめた。

「もう我慢はしない。覚悟しろよ」
「我慢しないって、子どもみたいにそればかり……」

侑斗の胸に顔を預け、梨乃は力なくつぶやいた。

「はあ……びっくりしすぎてなにも考えられない」
「だったらなにも考えなくていい。今日俺に抱かれるのは決定事項だ」
「も、もう……御曹司ならなんでも許されると思ってるでしょう」

責めるようにそう言ってはみても、今更侑斗になにを言っても無駄だとわかっている。
遠目に見える白石ホテルのライトアップが、梨乃にはやけに眩しく思えた。