「え、私の名前、ですか?」
どういう件で自分の名前が侑斗の耳に届いたのか、梨乃には見当がつかない。
売り上げの柱である宿泊部門でもなければレストラン部門や婚礼部門に所属しているわけでもない。
経営に直結しない企画部門だ。ホテル全体のサポートを請け負う地味で目立たない職種。
侑斗の言葉が信じられない。
「なにも売り上げを持つ部門ばかりがホテルに貢献してるわけじゃない。チャペルのステンドグラスを使った写真撮影のおかげで婚礼の受注数も契約金額もかなり増えた。その発案者として梨乃を知った。それからも季節ごとのイベントでヒットをとばす梨乃の名前は何度も聞いていて、気にかけていたんだ」
「そんな……」
呆然とする梨乃の反応を楽しむように、侑斗はにやりと笑った。
「梨乃が手掛けた企画に感心する機会は多かったけど、俺が一番気に入ったのは、あれだ」
「あれって、え?」
侑斗は梨乃の腰を抱き寄せると、ふたりの体の向きをそっと変えた。
「ちょうどいいタイミングだったな」
遠くを見つめる侑斗の視線を追うと、そこには白石ホテルが見えた。
どういう件で自分の名前が侑斗の耳に届いたのか、梨乃には見当がつかない。
売り上げの柱である宿泊部門でもなければレストラン部門や婚礼部門に所属しているわけでもない。
経営に直結しない企画部門だ。ホテル全体のサポートを請け負う地味で目立たない職種。
侑斗の言葉が信じられない。
「なにも売り上げを持つ部門ばかりがホテルに貢献してるわけじゃない。チャペルのステンドグラスを使った写真撮影のおかげで婚礼の受注数も契約金額もかなり増えた。その発案者として梨乃を知った。それからも季節ごとのイベントでヒットをとばす梨乃の名前は何度も聞いていて、気にかけていたんだ」
「そんな……」
呆然とする梨乃の反応を楽しむように、侑斗はにやりと笑った。
「梨乃が手掛けた企画に感心する機会は多かったけど、俺が一番気に入ったのは、あれだ」
「あれって、え?」
侑斗は梨乃の腰を抱き寄せると、ふたりの体の向きをそっと変えた。
「ちょうどいいタイミングだったな」
遠くを見つめる侑斗の視線を追うと、そこには白石ホテルが見えた。

