普段は視線を合わせるだけで精一杯だというのに、眠っているのをいいことにドキドキしながら顔を寄せ、侑斗のまつ毛が長いと感心する。
端整な侑斗の顔を楽しんだ後、ソファを揺らさないよう気を付けて梨乃はそっと距離を取った。
ふうっとひと息つき「寝顔もイケメン御曹司……」とつぶやいた。
そして、再びその寝顔を見つめながら、小さな声でささやいた。
「あの日、なにを言おうとしたんですか?」
〝婚約者の振りというのが気になるか? だったら――〟
梨乃を冷蔵庫に押し付け、それこそ今にもキスを落とすように顔を寄せながらそう言った侑斗。
あの日以来なにも口にしない侑斗が気になって仕方がないが、その先を聞きたいと思う反面、二の足を踏む思いもある。
ホテル内に流れるふたりの噂のせいで仕事がやりづらい梨乃の状況を考え、婚約者の振りをやめてもいいと言おうとしていたのかもしれない……。
そう思いついたとき、梨乃の胸はひどく痛んだ。
落ち着いて考えれば、見合いを断る口実としての役目を果たす女性なら自分よりもふさわしい女性がいるはずだ。
それこそ社長の妻である彩実のような女性。
端整な侑斗の顔を楽しんだ後、ソファを揺らさないよう気を付けて梨乃はそっと距離を取った。
ふうっとひと息つき「寝顔もイケメン御曹司……」とつぶやいた。
そして、再びその寝顔を見つめながら、小さな声でささやいた。
「あの日、なにを言おうとしたんですか?」
〝婚約者の振りというのが気になるか? だったら――〟
梨乃を冷蔵庫に押し付け、それこそ今にもキスを落とすように顔を寄せながらそう言った侑斗。
あの日以来なにも口にしない侑斗が気になって仕方がないが、その先を聞きたいと思う反面、二の足を踏む思いもある。
ホテル内に流れるふたりの噂のせいで仕事がやりづらい梨乃の状況を考え、婚約者の振りをやめてもいいと言おうとしていたのかもしれない……。
そう思いついたとき、梨乃の胸はひどく痛んだ。
落ち着いて考えれば、見合いを断る口実としての役目を果たす女性なら自分よりもふさわしい女性がいるはずだ。
それこそ社長の妻である彩実のような女性。

