「勝者始め」という鋭い声が聞こえ、すぐさま勝負を仕掛けた。
後悔させてやる!
まずは君嶋の内側に右足をついて、キレのある上段の刻み突きを何度か入れる。
しかし、軽々と避けられた。
「っ!」
動きが素早い。なんで?
休まず逆突きを繰り出すも、それも軽々と流され。
得意の足技も避けられる。
「なっ!」
私の素早い動きを、ここまで華麗に避けるなんて。
こんなのはじめてだ。
それから様々な技を仕掛けるも、彼は笑顔で避けるだけで何もしてこない。
攻撃を仕掛けて来ない――。
つまり、女だからって手加減されている。
だとすれば恥よ。
「避けてばっかりいないで、あんたも仕掛けてきなさいよ!」
「へぇ―――⋯⋯? んじゃ遠慮なく」
一瞬、嘲笑が見えた。



