「可愛いねー。」

満面の笑みと賛辞の言葉と優しく撫でる手は、アタシに向けられたものじゃない。

隣で照れ笑いしてるお姉ちゃん。


少し色の悪い四角い映像の中の、幼いアタシの顔がくしゃっと歪む。

お姉ちゃんを睨むアタシはぶさいくで…


それでも一生懸命手を伸ばして、自分をアピールする。


『あたしも愛して。』

お姉ちゃんを撫でていた手は、お愛想程度にアタシを撫でてお姉ちゃんに戻った。


それでも、はにかむように嬉しそうに笑う昔のアタシは少しだけ可愛いと思った。



今は?




「愛美~。あ…昔のビデオみてる!愛美可愛いねぇ。」


お風呂に入ってたお姉ちゃんは、スッピンなのに綺麗で。