しばらく歩いていると、わたしが通っている学校が見えてきた。
公園に行く時、いつもわたしは学校を通っている。


今はどこの部活も活動していないみたいだ。


吹奏楽部がやっていたら楽器の音が聞こえて、運動部だったら人が走っている音が聞こえる。


けれど、今は何も聞こえていない。



「……ん!?」



そのはずなのに、ゆっくりと女の人が校舎から出てくるのが見えた。


……先生?
いや、あんなに背の低い先生はうちの学校にはいないはずだ。


そもそも、彼女はちゃんと制服を着ているので生徒であることは確かだった。



「だ……だあれ?」



彼女は赤い髪をしている……と思ったけれど、よく見ると茶色くて長い髪に血をかぶっていた。



「やっと会えた……」



わたしと目が合った途端、静かに笑った彼女。



「やっと気づいてくれたね……。いつも血を落としていたのに、全然気づいてくれそうになかったから……」



わたしにいつも血を落としていたのは、この子だったの……?