夏休みが始まって、1週間が経った。


今日は、近くの公園で夏祭りがある。


わたしは、去年と同じく紬と一緒に夏祭りを楽しむことにした。



「千草、千草! ヨーヨー釣りやろ!」



フランクフルトを飲み込んでから、紬は口元についたケチャップをティッシュで拭いた。



「オッケー!」


「わー、このヨーヨーの色合い可愛いー!」



そろそろ帰らないと、お母さんに心配かけちゃう。


わたしは紬と公園を出ることにした。



「楽しかったー!」



色違いのヨーヨーを2人で片手に、わたし達は帰り始めた。



「すごかったよねぇ! あっ、わたし、こっちの道だから」



2つに分かれた道の、右側を指差して紬が言った。
わたしは、左側の道を通るので彼女と一緒に帰るときはいつもここで別れるのだ。



「そうだったよね! じゃあねー!」



「バイバーイ!」



大きく手を振る紬に、わたしも手を振り返しながら別れた。