夏色の初恋を君にあげる(野いちごジュニア文庫版)



雅は1組だから、教室は廊下の突き当たりだ。



ひしめく生徒の間を縫うように歩き、廊下を進む。



――と、その時。

ふと糸が切れたように足が止まった。



私の視界に映るのは、数メートル先にいる男女の姿――。



「それ、同じこと、前に凛子さんも言ってた」



「雅とお姉ちゃん、たまに発言被るんだよね~」



立っているだけで絵になるふたりが、窓を背に楽しそうに話し込んでいる。

……雅と、由良くんだ。



――由良くんは、私の妹が雅だということを知っていた――?