紅葉色の恋に射抜かれて(野いちごジュニア文庫版)

「すみません。みんなには秘密で、弓月先輩とのお揃いができたことが……幸せで」
 同じ色の帯だから、みんなにバレる確率はきっと低い。それがなんか……秘密の結婚指輪みたいだな、なんて思ったりして。
「ふふっ」
 喜んでいる私を弓月先輩が温かい眼差しで見守ってくれている。
 ――ああ、弓道にも恋にもまっすぐなこの人が好きだ。
 ゆがけを握りしめながら、私は先輩と微笑み合う。私たちの頭上には、熟した想いを表すような紅葉色の空がどこまでも広がっていた。

FIN.