それを聞いた葉山先輩は目を丸くして固まった。それから長い間をかけて、私の言葉の意味を解釈したのか、腰を上げる。
「なら、迷うな」
「へ?」
葉山先輩の言ってることの意図が読めなくて、マヌケな声を出してしまう。
そんな私に向かって、葉山先輩は口端で笑う。
「迷いを捨てれば、あたるから。絶対にあてて、俺にこの想いを伝える機会をくれ」
待って、それって……葉山先輩も私と同じ気持ちだってうぬぼれてもいいの?
そう聞きたい衝動に駆られたけれど、私は喉まで出かかった疑問を飲み込む。
どのみち、私があてればすべてわかることだから、黙ったまま射場に立った。
「ふう」
深呼吸をして、気持ちを整える。これは、私自身との闘い。絶対に外せない矢があるとき、自分の弱さに勝てるかどうか、きちんと向き合いたい。
その一心で私は弓を構えると、狙いを定めて引き絞る。
今まで、こんなに強い気持ちで、迷いもなく的がはっきり見えたことがあったかな。ううん、きっとない。
いつもは不安で揺れていた狙いが、ぴったりと合う。
私は、私自身に勝てたんだ。
そうはっきりわかった瞬間、弦を離す。矢は迷いなく的へ吸い込まれていき、パンッと軽快な音を響かせた。それにほっとしながら振り返ると、葉山先輩の温かい眼差しがそこにある。
「――楓、好きだ」
今まで苗字だったのに、不意打ちで名前を呼ばれた。唐突の告白と相まって、私はドキドキしながら葉山先輩を見つめる。
「わ、私も……っ」
気持ちばかりが先行して言葉を詰まらせる私に、葉山先輩は小さく笑った。
「ゆっくりで構わない。楓の気持ちも聞かせてくれ」
その穏やかな声音に気持ちが落ち着いた私は、ふうっと息を吐いてから伝える。
「――好きです、弓月先輩」
「なら、迷うな」
「へ?」
葉山先輩の言ってることの意図が読めなくて、マヌケな声を出してしまう。
そんな私に向かって、葉山先輩は口端で笑う。
「迷いを捨てれば、あたるから。絶対にあてて、俺にこの想いを伝える機会をくれ」
待って、それって……葉山先輩も私と同じ気持ちだってうぬぼれてもいいの?
そう聞きたい衝動に駆られたけれど、私は喉まで出かかった疑問を飲み込む。
どのみち、私があてればすべてわかることだから、黙ったまま射場に立った。
「ふう」
深呼吸をして、気持ちを整える。これは、私自身との闘い。絶対に外せない矢があるとき、自分の弱さに勝てるかどうか、きちんと向き合いたい。
その一心で私は弓を構えると、狙いを定めて引き絞る。
今まで、こんなに強い気持ちで、迷いもなく的がはっきり見えたことがあったかな。ううん、きっとない。
いつもは不安で揺れていた狙いが、ぴったりと合う。
私は、私自身に勝てたんだ。
そうはっきりわかった瞬間、弦を離す。矢は迷いなく的へ吸い込まれていき、パンッと軽快な音を響かせた。それにほっとしながら振り返ると、葉山先輩の温かい眼差しがそこにある。
「――楓、好きだ」
今まで苗字だったのに、不意打ちで名前を呼ばれた。唐突の告白と相まって、私はドキドキしながら葉山先輩を見つめる。
「わ、私も……っ」
気持ちばかりが先行して言葉を詰まらせる私に、葉山先輩は小さく笑った。
「ゆっくりで構わない。楓の気持ちも聞かせてくれ」
その穏やかな声音に気持ちが落ち着いた私は、ふうっと息を吐いてから伝える。
「――好きです、弓月先輩」


