ルル。ドラグニール第二王子。黒髪の貴公子と呼ばれていた。城内を歩けば侍女達の心を鷲掴みにし、貴族令嬢達にも噂の種だった。ルル様は誰と結婚なさるのでしょうか?当然、軍務大臣の娘か内務大臣の娘のどちらかでしょうと言われていた。しかし、この時のルルには思い人がいた。金糸の髪で青く透き通った瞳が特徴的な少女。出会いは剣術の師匠に付き添いできた時だった。

ウェルビン団長の養女としてルルは紹介を受ける。ウェルビンはルルに向かって、
「王子様と同じような歳頃です・・・無礼があったりした時はどうか私にお申し付けください」
ルルは初めて異性に心を奪われて、ウェルビンの言葉が耳に入ってこないほど彼女に見とれていた。