世界でただ一人のヒーラーは生殺与奪を握ってます。

二人はドラグニールの街に戻って、事務的な手続きをすます。ギルド会館に依頼受諾とメンバーの提出。これは戦死者の確認するために必要なことだった。内容にもよるが長くこのメンバーが帰ってこない場合は依頼失敗とみなし、再度ギルド会館は依頼を張り出さなければいけない。
それからクロエは大楯使いのカイと弓使いのジルをアリシアに紹介した。
クロエの予想通り二人はアリシアの参戦に難色を示すも最後にはクロエが決めたのならと承諾した。
四人は簡単に自己紹介をすました。
「なあクロエ、これが終わったら恋人になってくれよ」
「それなら活躍したほうにしてくれよ」
カイとジルが冗談まじりに言うが恋人になって欲しいというのは本気で、クロエは二人を無視した。
「知っているか、戦争前にそういった色恋の話しは縁起が悪いと昔から言われているんだよ」
クロエは二人に真面目にやれと言わんばかりに窘める。アリシアは空気のように後ろを歩いている。