「浅倉さん、昨日の会議の議事録やり直してくれる?」
は? 朝から意味不明───
「おはようございます田邉チーフ。昨日の会議、リモート会議でしたよね？私は不参加で 議事録は確か、黒崎君に依頼してたと記憶しますが。」
「あれ作成は黒崎か…、ああ だからか。おかしいと思ったよ。やっぱ浅倉さんじゃないと、仕事がスムーズじゃないよ。」
───じゃなくて…
私関係なくない?これだから思い込みの激しい人って困る。
「黒崎に、議事録のノウハウ教えてくれないか？」
私は あなたチーフ自身に人を育成するノウハウを教えてあげて欲しいと思う…
「はい、承知致しました。直ぐに…修正議事録出させます。」
ちっ。心の声は出せないので、裏で暴れる葛藤を隠し無表情でやり過ごす。
私はアカデミー賞受賞 女優張りに。いつものクールで通常運転の私にスイッチし、黒崎君の席に移動した。
