「その子は鈍感だから、たぶん俺のことなんとも想ってないんだよね」
……そんな、まさか。
凪くんに想われて気づかないなんて、鈍感すぎるにもほどがある。
「……少しでも俺のことを意識してくれるようにって、毎朝その子が乗る電車に合わせて苦手な早起きして。夏休みに補習とか嫌だけど、その子と一緒にいられる時間が増えるならそれでもよかったし。好きだから、二人っきりで出かけたいと思うから誘うし」
あれ……どうしてだろう……。
今、凪くんの言ったことすべて、身に覚えがあるような気がして、心の片隅で期待してしまう、うぬぼれてしまう単純な自分がいる。

