君が可愛すぎるから(野いちごジュニア文庫版)




思わず口にしてしまい、ハッとした。


すぐに我に返って、あわてて手を引こうとした時だった。


頬に伸ばしていたわたしの手がパシッと掴まれた。



そして、さっきまで閉じていたはずの凪くんの瞳が、今はしっかりとわたしを見ていた。


う、嘘……っ、起きていたの……?


いったい、いつから、どこから聞かれていたんだろうと、頭の中で軽くパニックを起こしてしまう。



もし、好きと言ったのを聞かれてしまっていたら……。


そう思うと、恥ずかしさが一気に増して、逃げ出したくなった。



掴まれた手を振りほどいて、この場から去ろうとすれば……。



「いかないで……心結」



弱々しい声が耳に届いて動けない。



心結と呼んだ声が、微かに記憶の中に残る声と、はっきり一致した。


そのまま、凪くんはベッドから身体を起こした。


わたしの手は掴んだまま、急に立ち上がった。