君が可愛すぎるから(野いちごジュニア文庫版)




おそるおそる中を見ると、ベッドに横になっている凪くんがいた。


スヤスヤと眠っている姿を見て、ホッと胸をなでおろす。


顔色を見る限り、そこまで悪そうではない。



あと少しだけそばにいたいと思ったので、ベッドの近くにあった椅子に座った。



ふと頭の中で、もし今ここで凪くんが目を覚ましたら、どんな顔をすればいいんだろう、どんな理由でここにいるのかを説明すればいいんだろうということが浮かんだ。



凪くんの言葉を何も聞かずに逃げ出してしまった、夏祭りの日。


もしあの時、若菜ちゃんが現れなかったら……。



わたしは凪くんの腕の中で何を言っただろう?


気持ちを抑えることができずに、もしかしたら好きだということを伝えていたかもしれない。


そして、凪くんの気持ちを知ることもできたかもしれない。