君が可愛すぎるから(野いちごジュニア文庫版)




保健室に着いた頃には、呼吸が苦しくて肩で息をしていたほど。


こんなに走ったのはいつぶりだろうかってくらい、必死になっていた。



それだけ凪くんへの気持ちが、自分の中で強かったんだと証明されているみたいだ。


ガラガラッと扉を開けて中に入った。



いつもいるはずの養護教諭の先生の姿は見当たらない。


保健室の中は冷房がよくきいて、ひんやりした空気が流れている。



奥のほうに足を進めると、薄いカーテンで仕切られたベッドが二つ。


一つはカーテンが開いたままで、誰も使っていない。


もう一つは……カーテンが閉め切られている。


たぶん……そこに凪くんはいる。



薄いカーテンをギュッと握って開けようとするけど、どんな顔をして接すればいいんだろう。


今さらになって冷静な思考が戻ってきた。



けど……さっき木下くんから聞いた話が本当なら、きっと今も凪くんは眠っているだろうと思い、カーテンを静かに開けた。