君が可愛すぎるから(野いちごジュニア文庫版)




***


夏祭りから数日が過ぎた。


長かった夏休みは終わり、もう新学期が始まっている。



新学期が始まってから、わたしは朝の電車の時間を遅らせるようにした。


……凪くんに会うのが気まずいから。


夏祭りの日以来、凪くんと会うことも連絡を取ることもないまま。


学校でもわたしが一方的に避けているから、前みたいに話す機会はなくなった。



今はとりあえず、京香に夏休みあった出来事を全て報告し終えたところ。



「ほー。夏休み中にいろいろあったわけね。せっかく藤宮くんといいところまでいったのに、幼なじみの存在が引っかかって逃げ出してしまったと。もったいないことしたねぇ」



京香の言うことが正しすぎて、返す言葉もない。



「藤宮くんの気持ちを確かめてもいないのに、勝手に幼なじみが好きだって決めつけちゃったのがよくなかったかもね」



「…………」