君が可愛すぎるから(野いちごジュニア文庫版)




夜空の花火を見ながら、隣にいる凪くんを見る。


さっきまで暗くてあまり見えなかったのに、今は花火の光のおかげで凪くんの綺麗な横顔がはっきり映る。



この瞬間が、ずっと続けばいいのに――。



「有栖ちゃん?」


「……あ」


いけない、花火じゃなくて凪くんを見つめすぎて、視線に気づかれてしまった。



「どうかした?」


「あ、ううん。つい、凪くんの横顔に見とれちゃって……」


あっ……やってしまった。


何も考えずに素直に思っていたことを口にしてしまった。



すぐに何か言葉を付け足そうとしても、思いつかない。


途端に恥ずかしさに襲われて、目線を外そうとしたのに、わたしの行動を先に読んだ凪くんが阻止してくる。



まだ上がり続ける花火の光が、真っ赤になっているであろうわたしの顔を照らす。


自分の手で顔を隠そうとしても、凪くんがわたしの手を掴んで許してくれない。