「んー……甘いね」
「凪くんは甘いの苦手?」
「あんま得意じゃない。けど有栖ちゃんがおいしそうに食べるから気になってね」
無邪気に笑った凪くんの笑顔は、わたしの心拍数を簡単に上げてしまう。
そのままほかの屋台も回って、ある程度お腹も満たされた。
この夏祭り最大の催し物は、なんといっても打ち上げ花火だ。
気づけば空が暗くなり始めていた。
花火を少しでもいい場所で見ようと、すでに場所取りをしている人や、場所を探している人たちで、花火の見えるところはどこも混雑している。
わたしと凪くんは今、近くにあったベンチに腰を下ろして休憩をしているところ。

