君が可愛すぎるから(野いちごジュニア文庫版)

「そんなに気にしてるってことは、もしかしてデートなのかしら?」


お母さんは、ふふっと笑いながらわたしを見ていた。


「なっ……!デ、デートではないもん」


「あら、今少しだけ間があったような気がするわよ?」


「な、ないない!もう時間だから行ってくるね……!」



これ以上詮索されたら厄介だと思い、あわてて家を飛び出した。


履きなれない下駄をカランカランと鳴らしながら歩く。


思った以上に歩きにくくて、家を早めに出てよかったかもしれない。



凪くんとの待ち合わせの時間は夕方の五時。


お祭り会場の最寄り駅前に集合ってことになっている。



本当は凪くんがわたしの家まで迎えに行くと言ってくれた。


だけど、準備に時間がかかって、待たせてしまうかもしれないから……という理由で断って、駅前集合にしてもらったのだ。