君が可愛すぎるから(野いちごジュニア文庫版)




***


そして、迎えた夏祭り当日。


「お、お母さん!これおかしくない?」


時刻は夕方の四時を回っていた。


わたしは今、全身鏡の前に立って、最終確認をしているところ。



「もう、さっきから何度も同じこと聞かないの。おかしくないから大丈夫よ」



お母さんは呆れた口調で言うけれど、わたしにとっては一大イベントといってもいいくらい大事な日だから、何度も確認しないと気が済まない。



「浴衣おかしくない!?髪型もこれでいいかなぁ。リップの色濃くないかなぁ……」


夏祭りということで、久しぶりに浴衣を着た。


薄いピンクに大きな朝顔が描かれたデザインで、帯は淡いブルーの組み合わせ。


髪は上のほうで一つにまとめて、普段しないメイクも少しだけ頑張った。