君が可愛すぎるから(野いちごジュニア文庫版)




静まり返った教室の中、外からセミの鳴き声が、うるさいくらいよく聞こえる。


おまけにさっきまでよかった風通しは、すっかり悪くなってしまった。


暑くて集中力が欠けてしまう。



シャープペンを握ったまま、チラッと隣を見ると頬杖をつきながら手を止めず、スラスラと問題を解いている凪くんが映った。


細くて長い指。

シャープペンの持ち方は、お手本みたいに綺麗。


横顔も整っていて、勉強している姿だけで様になってしまう。


やっぱり凪くんはどこを取っても欠点が見当たらない。



「……どうかした?」


凪くんの顔が急にこちらを向いた。


しまったぁ……。


凪くんがかっこよくて、つい見とれていたなんて言えるわけない。