君が可愛すぎるから(野いちごジュニア文庫版)



「まあ、そんなの口実だけど」


「……?」


最後に意味がわからない言葉を残したまま、再びわたしに背中を向けて教室を出ようとした凪くんがボソッと……。



「……本当は、俺がそばにいたいからなんだけどね」


そのつぶやきは、わたしに届くことはなかった。



***



日にちが過ぎるのは早く、あっという間に夏休みに入った。



長期の休みに入ってしまうと、凪くんに会えないはずだったのに、これから補習という名目で週三日だけ会うことができる。


不謹慎かもしれないけど、補習の対象になってよかったと思ってしまった。


そして今日は、さっそく初日。


時間は午前十時から午後の二時まで。


お昼に一時間休憩を挟んでいいことになっている。