君が可愛すぎるから(野いちごジュニア文庫版)




「あ、大丈夫よ。話は今終わったところだから」


五十嵐先生がそう言うと、凪くんが教室の中に入ってきて、なぜかわたしが座る席の隣の椅子をガタンッと引いて座った。


そして、わたしのほうに身体を向けて。


「有栖ちゃん、どうしたの?なんか顔色悪いよ」



心配そうにこちらを見て、声のトーンがいつもより優しい。


「えっと……夏休み、補習の対象になっちゃって」


さらっと口にしてしまいハッとする。


堂々と自分の頭の悪さをカミングアウトしてしまった。


「……へー、補習に引っかかったんだ?」


「う、うん」


すると、凪くんは少し考える様子を見せながら、驚くことを口にした。