君が可愛すぎるから(野いちごジュニア文庫版)




やっぱり夢だったのかって、その時は思ったけれど。


翌日京香から聞いた話だと、倒れたわたしを保健室に運んでくれたのは凪くんだったらしい。




この出来事がもし夢でなかったのなら、わたしの名前を呼んだのも、好きと言ったのも、ぜんぶ凪くんかもしれない――なんて期待を膨らませて、最近ますます意識するようになってしまったのだ。



「……み……ゆ」


だけど、それが凪くんだったという確証があまりにもなさすぎる。



「心結ってば」


「……へ」


京香の呼ぶ声にハッとして、自分の世界に入り込んでいたことに気づいた。



「さっきからずっと声かけてたのに、ずっと固まったまま反応ないんだもん。何か考え事でもしてたの?」


「え……あっ、ちょっと前のこと思い出してて」