不思議に思い顔を上げて空野さんを見る。
けっこう大きな口を開けて笑っていて、目に涙なんかも溜めちゃっている。
意味がわからなくて首を傾げる。
「ごめんごめん。まさか謝られるとは……気にしないで。おれもまだまだだなってことだ」
「そ、そんなことないですよ!空野さんはすごい方だってこと、今日たくさん調べて知りました」
「調べてくれたんだ。ありがとう」
空野さんの爽やかな笑顔に思わず顔を逸らす。
こんな近くでこんな笑顔はわたしの心臓がもたない。
「それでなんですけど、これからは……」
「このままでいてくれない?」
「え?」
「アイドルだから、芸能人だからってだけで、ゆきちゃんと距離をおくのはいやだ。連絡もする。着拒したら怒るから」
わたしの言葉を遮り頬を膨らませて腕を組み、怒っていると示す。
かわいくて頬が緩む。
空野さんは空野さんだ。
「わかりました」
「絶対だよ」
「はい」
本当は距離をとったほうがいいのではないかと思った。
大注目ということはすごく大事な時期だということだ。
空野さんの邪魔になるくらいなら……って少し考えた。



