超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。




少し息が乱れていたように聞こえた。

走ったのかな?


それだけで胸がぎゅっとなる。

最近のわたし、おかしいな。
体調でも悪いのか。
夏の疲れが出たのかな。



『あと15分くらいで着くよ。こんな時間だしどうしようか。今日は定休日だったよね?』

「あの、空野さんがよければですが、わたしの部屋でも大丈夫ですか?」

『へっ?』

「お店の裏側なんですけど……」


ふたりで外に出るのはよくない。

そうなると、わたしの部屋が一番安全な気がする。


お店からも入れるし、裏に玄関もある。

すでにお母さんとお父さんには了承を得ている。
空野さんだから快くOKをもらえた。


お母さんは少しにやにやしていたけど。



『いいの?おれ、ゆきちゃんの部屋に入っても……』

「はい。大丈夫です」

『すぐ行く。運転手さん、できるだけ急ぎめで!』


空野さんの急かす声が聞こえて思わず笑ってしまった。



「そんなに急がなくても待ってますから。ご飯は食べましたか?あるものなら用意しておきますよ」

『あ、じゃあコーヒーで』

「わかりました。用意しときますね」


そう言っていったん通話を切る。

キッチンに行きコーヒーの準備をする。
抽出できるまでの間、クッキーがあったからそれをお皿に乗せる。