「黒瀬くんと白川さん。聞いていますか?」
「え、あ、すみません。聞いてなかったです」
いきなり話を振られて戸惑うけど正直に言う。
全く聞いていなかった。
せっかくの文化祭なのに。
来年は受験生ということもあり今年はみんな気合い十分だ。
「主役のふたりなんだからしっかり聞いててください」
「はい……え?」
主役……?
文化祭実行委員の言葉に引っかかり黒板を見た。
そこには“シンデレラ・・・白川”と書かれている。
その文字の隣には“王子・・・黒瀬”の文字が。
え、ちょっと待って。
「わたしがシンデレラ!?」
「そうだよ。名前的に白雪姫かと思えばシンデレラっておもしろくない?」
「ちょ、ちょっとわたしには荷が重すぎる……」
それにおもしろい、おもしろくないで決められても……。
「もう決定だよ。白川さんって透明感あるしぴったりだよ」
「えぇ……」
たしかに話を聞いていなかったわたしも悪いけど、そんな勝手に……。
劇なんてしたことないよ。
「黒瀬くんはいいの?」



