場を和ませる才能があると思う。


空野さんを丁寧にお見送りする。

また明日も元気にお店に来てくれそうな、いつもと変わらないお見送り。


だけど、本当に次の日から空野さんはお店には来なかった。



忙しいみたいで、連絡が来たのも最後にお店に来た日から1週間後でわたしは夏休みに入っていた。


夜、ベッドでゴロゴロしていた時だった。



《夏休みどう?》



久しぶりのメッセージにすぐに返信する。


《ずっと家のお手伝いしてます》

《行きたい!ゆきちゃんに癒されたいよ》


空野さんからもすぐに返ってきた。

目が潤んでいる絵文字がついている。

空野さんもこんな顔するよね。


思いだして頬が緩んでしまう。


思いだし笑いなんて、怖いね。
部屋にいて良かった。



《いつでもお待ちしています。空野さんはお元気ですか?》

《うん。忙しいけど、充実してる。ゆきちゃんに会えたらもっと元気になる!》