勉強だったけど、わからないところもわかったし、楽しくできたからいい時間になった。
「気をつけてね」
「うん、また明日」
「ばいばーい!」
花音ちゃんと赤坂くんが元気に手を振ってから歩き出す。
それに手を振り返す。
だけど、なぜか黒瀬くんはまだわたしの隣にいて歩き出さない。
「黒瀬くん?」
不思議に思い名前を呼ぶ。
黒瀬くんはわたしをじっと見つめていた。
お店の明かりが外をぼんやりと照らし、それで黒瀬くんの表情がわかる。
真剣な瞳に吸い込まれそう。
「黒瀬く……」
「あの常連の人って白川とどんな関係?」
もう一度名前を呼ぼうとすると、黒瀬くんの質問に遮られた。
常連の人って空野さんだよね?
「どんなって、大切なお客様だよ」
「ふーん。まあいいや」
意図がわからなくて首を傾げるけど、黒瀬くんはそれ以上なにも言わなかった。



