「……そうだけど、なにか?」
「ううん、これからもゆきちゃんと仲良くしてあげてね」
空野さんがお母さんみたいなことを言っている。
それがおかしくて小さく笑ってしまったけど、なぜか空気が重苦しい感じですぐに表情が戻る。
空野さんも黒瀬くんも笑っていなかった。
雰囲気がちょっと怖いというか、ピリついている。
疑問に思っても口に出せるような空気ではなかったから、なにも言わずにふたりを交互に見た。
「行こ、白川」
「う、うん……。空野さん、ゆっくりしていってくださいね」
「ありがとう」
すぐにいつもの空野さんに戻って微笑んでいた。
気のせいだったのかな?
空野さんの雰囲気が怖くなることなんてあるわけないか。
黒瀬くんもいつもクールだし、これが通常なのかもしれない。
「雪乃おそ~い」
「ごめんね。常連さんと話しこんじゃってた」



