「ひとりの男としても、雪乃のことを幸せにするよ」


ひとりの男として。

その言葉がうれしい。



「っ……はい」

「ぜったいに幸せにする」

「いまでも、たくさんもらってるのに……?」



颯くんと一緒にいられるだけで幸せなんだもん。

幸せにしてもらってるよ。


胸がいっぱいになるほど、幸せなんだよ。




「足りないよ」

「わたし、愛されてるなぁ……」

「やっと気づいたの?」



ぽつりとつぶやいただけなのに、真剣な表情で言われるから驚く。