「……なんでいんの?」
「それはこっちのセリフなんだけど。おれがいない間に雪乃のこと口説いてたんでしょ?」
コーヒーとわたしにココアが運ばれてきて、お母さんが厨房のほうに行く。
するとすぐにふたりが話し始めた。
「奪うって言っただろ」
「藍原くんには無理だよ」
「は?」
「雪乃のことをちゃんと見れてない藍原くんには無理って言ってんの」
颯くんは凌馬くんのほうを向いているから顔は見えない。
だけど、声のトーンが低い。
怒ってる、のかな?
「どういうことだよ」
「雪乃ね、藍原くんがモデル頼みに来た日に一緒に歩いてたところを見られてたんだよ。それで学校の人に噂されて、ずっと困ってたんだよ」
「は……?」
「颯くん、いいよ。もう颯くんが解決してくれたんで大丈夫です」
「なにそれ?雪乃、説明して」
「え……っと……」
「だから、藍原くんのせいで雪乃が困ってたんだよ。電話越しでも疲労がわかるくらいに」
颯くんが苛立ちを隠さずに言葉にしていく。



