「それはいただけないなぁ。ゆきちゃんの彼氏はおれだよ。誤魔化すためでも、いやだよ」
「本当にごめんなさい……。わたしの彼氏は颯くんです」
言いながら颯くんの頭に手を伸ばし真っ黒の髪を引っ張る。
黒髪がはずれて、颯くんのきれいなミルクティーベージュの髪があらわになった。
「あ」
「変装すごいですね。だれもaozoraのソラって気づいてなかったですよ」
颯くんは黒の前髪長めのウィッグにマスク、うちの高校の制服を着ていた。
いまも制服は着たまま。
「同級生になったみたい」
「このままデートしちゃう?」
「制服デートだ」
「藍原くんと撮影でしてたの、まだ根に持ってるから」
拗ねる颯くんがかわいい。
同級生みたいな颯くんにドキドキしてしまう。
顔を近づけて触れるだけのキスをする。
不思議な感じだ。
「この制服はどこからですか?」
「黒瀬くんに借りたんだ。ゆきちゃんが教えてくれなさそうだったから、黒瀬くんに会いに行ってくわしい状況を聞いたの。今日呼び出しされてたのも黒瀬くんから聞いたよ」
そうだったんだ……。
まさか黒瀬くんと颯くんが繋がっているとは思わなかった。
たしかに、黒瀬くんには全部話したもん。



