「相談、してほしかったなぁ……」
ぽつりとつぶやく颯くんに、回した腕の力を強めた。
「……ごめんなさい」
「おれがゆきちゃんのことで気づかないとでも思った?」
「…………」
「バレバレだよ。ゆきちゃんが元気なかったこと」
言いながら、わたしの腕をほどいて顔を合わせる。
びっくりするほど優しい表情。
颯くんは内面から優しさが出ている。
「……颯くん忙しいから、無駄な心配かけちゃいけないと思って……」
「ゆきちゃんに関係することに無駄なことなんてないよ。遠慮してたのはわかってたけど」
颯くんにはなんでもお見通しなんだ。
忙しいのに、電話やメッセージだけだったのに、気づいてくれるんだ。
わたしのこと、すごく気にかけてくれてる。
「でも、いいよ。言わなくてもおれが全部気づくから」
颯くんの言葉に愛しさでいっぱいになる。
こんなにすきなのに、またすきになる。
「彼氏がいるって言ってくれたのはうれしかった。けど、黒瀬くんの写真を見せようとしたでしょ?」
わたしの手から抜きとってまだ返してもらっていなかったスマホを、わたしの手の上に乗せる。



