それを見せようとスマホを向けたとき、手からスマホが抜き取られて肩を抱き寄せられた。
「えっ?」
「おれが、雪乃の彼氏だよ」
頭上から聞こえた声に驚く。
涙腺が緩む。
鼻の奥がつーんとして、彼が着ている制服をぎゅっと握る。
疑問はたくさんある。
どうしてここにいるのか。
どうしてこの高校の制服を着ているのか。
でもいまはそんなのどうでもいい。
わたしの頭を優しく撫でてくれるその手があたたかい。
「藍原凌馬じゃないよ。雪乃の彼氏はおれだ。ほかの人とうわさしないで」
「は、はい……」
「誤解はとけた?覚えておいて、雪乃の彼氏はおれ。これからもずっと変わらないから」
何度も頷いている。
わたしの言葉だけじゃだめだったのに、あっさりとわかったくれた。
「じゃあ、もう行くね」
そしてこの場から離れることに成功した。
わたしの肩に手を回したまま、ゆっくりと支えるように寄り添うように歩いてくれる。
裏門のほうに連れてきて、車に乗るよう促された。



