どうして聞きたくない言葉って鮮明に聞こえてしまうんだろう。
信じていないみたいだけど、やっぱり好奇の視線はしんどい。
「雪乃、おはよう」
肩をぽんとして声をかけてくれた花音ちゃんが隣に並ぶ。
花音ちゃんを見るとすごく笑顔だった。
「おはよう」
「もうすぐ冬休みだね。そんでライブだね」
花音ちゃんの明るい声に気持ちが救われる。
わたしも笑顔になることができる。
「うん。どんどん近づいてきててドキドキする……!」
楽しいことを思えば笑顔になれる。
いま、花音ちゃんのおかげでわかったよ。
「雪乃は笑うとすごいかわいいね。いろいろあるんだろうけどため込まないでね」
「え……」
「あたしに言えないことなのかもしれないけど、頼るくらいはしてね。いくらでもはしゃいで楽しいことして忘れさせてあげるから」
「花音ちゃん……っ、ありがとう」
気づいていたんだね。
なのに聞かないでくれた。
花音ちゃんの優しさに胸がぎゅっとなる。



