凌馬くんは誤解でも、颯くんは誤解ではない。
真実だ。


とりあえず、迷惑かけたらいやだし凌馬くんとの噂をどうにかしないと……。




「大丈夫か?」

「わっ……黒瀬くん。おはよう」

「はよ。で、大丈夫か?」



後ろから突然声をかけられて驚いたけど、黒瀬くんで胸をなでおろす。

ちょっと敏感になっているのかもしれない。




「最近あーゆうの多いだろ?」

「そうだね。ちょっとどうしようか考え中」

「なんかされたりしてない?」

「されてないよ」

「……うそ下手すぎ」

「えっ?あいたっ」



いきなりデコピンをされて小さな痛みが残るおでこを両手で押さえる。

黒瀬くんにはバレバレみたいだ。


人気のないところに行き、黒瀬くんの尋問を受ける。
質問じゃなくて尋問。圧がすごいもん。




「隠さずに言う」

「はい……」



ここまでされなきゃ言うことができない自分も情けない。

どうしても、自分の問題をだれかに話すのって苦手だ。