花音ちゃんは気をつかってくれるけど、わたしのほうは大丈夫。

むしろ成績のほうが大ピンチだ。


いまのままじゃ、カフェのお手伝いもできない。

それはわたしとしても困る。




「でも、あたしらあほの集まりだし勉強しても意味なくない?教えてくれる人いなきゃ」

「たしかに……!」



気づかなかった。

みんなで勉強すればおっけーだと思ってた。


教えてくれる人がいなきゃわかんないじゃん。


そんなことに気づけないほど、わたしはあほだったよ……。




「いいやついるぞ」

「ほんと?」

拓海(たくみ)!今日の放課後勉強教えてー!」

「まじ?黒瀬(くろせ)は無理じゃない?」

「やだよ」


赤坂くんが黒瀬くんに声をかけるけど、即答されていた。

黒瀬くんって頭良いよね。
いつも授業で当てられてもすぐに答えてるし、テストでも1年のときから常に上位にいる。