超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。




カモなんてそんなふうには思っていないけど、そういうことになっちゃうのかな?

どうなんだろう?



「そこはすぐに否定しろよ」

「そうなのかなって思って……」

「おい!」



凌馬くんがわたしをキッと睨むけど、笑って流す。

前はこの睨みも怖かったけど、いまでは全然怖くない。


出会ってからそんなに日は経っていないけど、同い年ということと凌馬くんが俺様っぽいのに方向音痴という一面があることで、おもしろくてかわいらしく感じてしまうから。



俺様でもなんだかんだ、愛されるような存在。




「そういえば、この前大量注文受けてくれて助かった」

「それはこちらこそだよ。ありがとう」

「配ったみんなも喜んでた」

「ほんとに?よかった」



高校生なのにあんなに大量に注文するから驚いたけど。

バイトでもしているのかな?
バイト仲間に?
それとも学校?


でも、凌馬くんと仲良くなったとはいえ、お客様だからプライベートなことはこちらからは聞けない。