凌馬くんは知り合った次の日にさっそく連絡が来て、お店に来てくれるようになった。
同い年ということもあり、すごく話しやすい。
いまでは怪しい人認定も外れている。
メガネをかけていて、いまはなんだか知的な感じ。
「お待たせしました」
「さんきゅ」
お礼を言ってすぐに食べ始める。
そしてすぐに「うまい」と感想を言ってくれた。
凌馬くんって意外にもって言ったら失礼かもだけど、意外にそういうことを言ってくれる。
マフィンを食べて、気に入ってくれたみたいだから、あのときの宣伝は効果があった。
「よかった」
「てか、客いねぇの?」
「平日にこの時間は少ないかも」
夕食前の時間。
放課後に学生が来たりはするけど、夕食前にはお客様はいなくなる。
金、土、日しかディナーもしていないから、もうすぐ閉店の時間ということもあるのだろう。
「へぇ、穴場じゃん」
「ぜひ来てください。毎日でも」
「俺ただのカモじゃん」
そのセリフには思わず笑ってしまった。



