「わかった」
「……よし」
スマホを取り出してQRコードを出す。
凌馬くんは電源を切っていたから、電源をつけるところからスタート。
そして、連絡先を交換し終わったとき。
「凌馬!!お前、ほんとふざけんなよ。どんだけ待たせてるんだ」
「うっせ。散歩だよ散歩」
スーツにメガネの男の人がすごい形相で走ってくる。
そして、凌馬くんの腕を思いきり引っ張った。
「ご迷惑おかけしました」
「あ、いえ」
「ほら、お前土下座だからな」
「しねぇよ!」
すごい。
なんか勢いが、圧倒されてしまう。
「じゃあな、雪乃。また!……ってぇな、もっと労われ」
怪しくはないのかな。
わたしの周りにはいないタイプだけど、悪い人ではなさそう。
凌馬くんに手を振って、今度こそ家に帰った。
やっと颯くんの番組を見ることができる。
今日は課題もないから、夜の時間をゆっくりと過ごすことができた。



