「すみません、ありがとうございます」
「別に。てか、あんた高校生?」
「はい、高2です」
「一緒じゃん。タメ口でいいよ。というかタメ口で話せよ」
「あ、うん」
けっこう強引だな。
でも、さっきみたいな怖い印象はあまりない。
怪しい人に変わりはないけど。
「名前は?俺は、藍原凌馬。凌馬でいいから」
アイハラリョウマ……なんか聞いたことのある名前の羅列。
だけど、それだけ止まる。
似たような名前の人が小学生のときとかにいたのかな?
「白川雪乃です」
「雪乃か。お前ラッキーだな」
頭を乱暴に撫でられるけど、意味がわからない。
とりあえずボサボサになった髪の毛を手ぐしで整えた。
そのまま目的地の花日ケ浦に着いた。
「着いたよ」
「おう、さんきゅー。あ、言っとくけど別に迷子とかじゃないからな」
「え、どう見てもまい……うん、わかった」
迷子じゃんって言おうとしたけど、睨まれたから言葉を飲み込んだ。



