遠いはずの距離なのに、あっという間に着いてしまった。
もうわたしの家の前。
……寂しい。
もっと一緒にいたい。
だけど、そんなわがまま言えない。
すごく楽しかった。
こんなに長い時間一緒にいたのなんて初めてだった。
楽しかったから、これ以上を求めちゃいけない。
「ありがとうございました!今日はすっごく楽しかったです」
「うん、おれも楽しかった」
「……じゃあ、また」
“また”はいつなんだろう。
つぎはいつ会えるんだろう。
まだ、一緒にいたい。
「……ゆきちゃん?」
「………………」
車から降りようとしないわたしに、きっと不思議がっている。
降りなきゃ。
そう思うのに、降りたくない。
足りないよ。
颯くんが足りない。
もっと一緒にいたい。
まだ離れたくない。



