「わ、ここの水槽きれい。見てください」
「ほんとだ」
わたしの声に反応して、同じ水槽に顔を近づける。
夢中できれいな色の魚を見つめる。
「すごいですね!」
言いながら颯くんのほうを見たとき、颯くんもわたしのほうを見ていて至近距離で目が合う。
不意打ちの距離に驚いて固まってしまった。
だけど、颯くんはニコッと笑って「すごいね」とわたしの問いかけに同意して顔を逸らした。
颯くんはすごくいつも通りだ。
わたしだけ変に意識してしまっている。
「チンアナゴだよ。おれけっこうすきなんだ」
今度は颯くんが引っ張る。
わたしはそれについて行き、チンアナゴを見る。
「かわいいです」
「でしょ?たくさんだと思わず引いちゃうけど、一匹ずつみたらちゃんとかわいいの」
「たしかに多いとあれですね……」
ぞわっとしちゃう感じ。
だけど、なんだか愛らしい。



