超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。





パンフレットを見ながら歩く。



「危ないよ」

「あ、すみません……」



夢中でパンフレットを見ていたせいで、前にいた人にぶつかりそうになった。

田舎とはいえ、休みの日だからそれなりに人は多い。
危なかった。


颯くんが腕を引っ張って声をかけてくれたおかげでぶつからずに済んだ。



その手が下がってきて、わたしの手を握る。



「えっ……」

「デート、だからね?」



少しかがんでわたしの顔を覗き込んで微笑む表情があまりにも綺麗で、いたずらで、カァっと顔が熱くなった。


外でこうして手を繋ぐなんて照れてしまう。

指を絡められて余計に熱くなるけど、うれしい気持ちも膨らむ。



デートって特別だ……。




「……はい」


返事をしてから繋がれた手に力を込めた。

そのまま館内を歩く。


薄暗い館内で魚に見られながら手を繋いで歩くのが変な感じ。

やっぱり恥ずかしい。
でも、うれしい。
でも、恥ずかしい。