そんなこんなで、あっという間にデート当日。
気合いを入れて髪も美容院に行って整えてもらったし、メイクもそれとなく花音ちゃんに伝授してもらった。
服もいつもより少し背伸びして、憧れていたブランドの服を初めて買ってみた。
気合い入れすぎかな?と思うけど、初デートだもん。
しかも相手は颯くんだもん。
気合い入れちゃうよね。
家で待っているとメッセージが届く。
着いたみたいだ。
お父さんとお母さんに声をかけてから、玄関の鏡で最終チェックをしてから家を出た。
目の前には黒いピカピカの車。
車にはくわしくないけど、きっと高級車なんだろうなって思う。
「ゆきちゃん、おはよう」
「おはようございます」
「さぁ、どうぞ」
運転席から降りてきた颯くんが助手席を開けて促してくれる。
すでにかっこよすぎて、心臓が大きく動いた。
促されるまま、おそるおそる助手席に座る。
ふかふかだ。
わたしが座ったのを確認してから、そっとドアを閉めて運転席に回る。
全ての行動がスマートでいちいちドキッとしてしまう。
はじめからこれじゃ心臓もたないよ……。