ニヤニヤする4人グループ。
もうだめ。
気持ち悪くて涙が出そう。
俯いて下唇をぐっと噛みしめ、涙をこらえる。
助けて……っ!
「その手離して出て行ってくれない?」
突然肩をぐいっと引き寄せられて、そのままの勢いで抱き締められた。
おかげで手は離れるけど、掴まれていた箇所はまだじんじんと痛む。
「は?」
「あんたなに?」
「俺ら客なんだけど」
「お客様は神様でしょうが。文句あんのか?」
「きみらみたいに店員さんを困らせる人は客でもなんでもない。いますぐこの店から出て行って」
あぁ、空野さんだ。
この優しい腕はきっと空野さんだ。
触れられたのは初めてだけど、力強くも優しさであふれるこの腕の温もりは彼以外にありえない。
「チッ。二度と来ねぇよこんな店」
「客失ったと思え。潰れるぞ」
「きみらの倍以上、おれひとりでここにお金落とすから大丈夫。二度と来なくていいよ」



