大きな声に反応して、そちらを向いた。

瞬間に、頭に強い衝撃。



「白川っ!!」


黒瀬くんの声を聞きながら、世界が動き反転する。

頭の次は背中や腰、手や足も……?


どこの部位からとかそんなのわからないけど、体中に衝撃がきた。


痛い、と感じるけどそれもだんだんわからなくなる。




「白川!!おい、白川!!」


黒瀬くんの焦ったような声。
霞んでいく視界で見えた顔も、見たことないくらい焦っている。



「大丈夫か!?」

「やばい、先生呼んで!!」


周りの声が頭に響く。

手がなにかに触れ、視線を下げるとサッカーボール。


直撃したんだ。
運悪いな。


体がジンジンするし、サッカーボールが当たった衝撃で倒れたんだ。


わたし、体幹弱いな……。



「白川!しっかりしろ!!白川……しら……」




黒瀬くんの声もだんだんと遠のいていく。

口は大きく動いているのに声が聞こえない。


颯くんはなんてメッセージをくれたのかな?


気になったけど、確認はできずにそのまま意識を手放した。